2011年 08月 04日
正しい用語を使いましょう その2
院内向けに書いたものを改変し、以下に書くこととします!(医療従事者向けの内容です。)
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医師になって17年目に入りましたが、この間、どこの病院に行っても繰り返されている「大きな間違い」があります。
それが、 「気管チューブの太さの記載」です。
気管チューブの太さは、「mm」で書くのが正しいのですが、この17年間、どこの病院に行っても「Fr(フレンチ)」で記載してあることが多いのです。
サクション(吸引)チューブや胸腔ドレーン、尿道カテーテル、NGチューブ、気管挿管チューブでも肺の手術に使うものなどは「Fr」で太さが書かれていますが、一般的な気管チューブはすべて「mm」です。
ちなみに、
「N医師により気管内挿管施行。7.0フレンチ、20cm固定」
という記載があった場合、
7Fr(フレンチ)≒2.3mm
の太さの気管チューブを挿管したことになってしまいます!これでは新生児より細いチューブとなってしまいます!!!
もし、間違って記載していた方がいましたら、明日からは正しい単位の使い方をお願いいたします!(先輩が間違った言葉を使うと純粋な後輩が真似をしてしまいます。(-_-;))
追伸:ちなみに、
「N医師により気管内挿管施行。7.0フレンチ、20cm固定」
の一文にはもう一つ誤りがあります。
もう、10年近く前から、昔使用していた「気管内挿管」という言葉は「気管挿管」に統一されています。
つまり、のど元にチューブを入れたとき起こることは、「気管挿管」か「食道挿管」のどちらかです。つい、昔のクセで気管内挿管と書いてしまう方は、修正願います!
看護学科の教官から聞いた話です。
ある看護学生が実習中に「気管挿管が・・・。」と発表したときに、その病院の看護師から「気管内挿管ですね。言葉は正しく使いましょう。」と注意されたそうです・・・。
看護学生、どう思ったんでしょうね。(苦笑)