2006年 08月 23日
皮下出血は要チェック!
救急隊 「○○才、男性。外出から帰ってきてから左半身の脱力を生じた。休んでも良くならないため救急要請あり。受け入れよろしいですか?」
noza 「どうぞ」(脳梗塞かな~)
来てみると、確かに左半身の麻痺がありますが、意識はあってお話しも可能です。数年前に狭心症に対して心臓手術を他院で受けていますが、そちらには脳神経外科が無いため自宅に近い当院に搬送となりました。
「きっと頭に行く血管も動脈硬化などがありそうだし、やはり脳梗塞かな~。」と思いましたが、診察すると全身各所に皮下出血がありました。
妻 「いや~、最近それが増えてきたんですよね~」
noza 「そ、そうですか。(イヤな予感。(^_^;)) とにかく頭の病気の可能性がありますので、CT検査をします。じゃあ、そ~っと搬送しましょう」
いつも以上に廊下のちょっとした段差による衝撃に気をつけたり、CT台に移動するときも「そ~っと移動しましょう。」と慎重に行いました。
CTを見てみると・・・・・イヤな予感的中!でした。
脳出血(白く映っている部分。)です。すぐに脳神経外科医をコールしました。
脳外科医は「大きさ的にはとりあえず止血剤などで様子をみられるが、現在飲んでいる心臓の薬の中に血をサラサラにしたり固まりにくくするものが入っているので大出血になり急変するかもしれません。」と家族に説明し、緊急入院となりました。
数時間後、救急部患者も入院している脳外科病棟に行くと看護師が「・・・そろそろだね。」と浮かない表情をしています。話を聞くと、先ほどの患者さんが急変したとのこと。
で、急変時のCTがこれです・・・。
前にも抗凝固薬を飲んでいて・・という患者さんのお話を書いたような記憶がありますが、このように脳出血を起こしたり、外傷を負ったときには管理することが非常に難しいですし、急変もあり得ます。(手術まで行けても止血に難渋します。)入院時にはいつも以上に急変する可能性をしっかり家族に話しておく必要があります。
きっと、搬送して下さった救急隊員も、あれだけ元気に話していた患者さんが数時間後に亡くなったとは思っていないだろうな、と思い書いてみました。
では、やらなくてはいけない事務仕事をやり始めます・・・。(ブログは逃避行動か?)
新品価格 |