2008年 07月 28日
肩関節脱臼の整復って、疲れちゃう。(^_^;)
一人目の方は、5回目の脱臼で、手術も受けている患者さんでした。レントゲン写真だけ撮って整形外科にまかせてしまう医師もいますが、一応救急医なので、頑張りました。
まずは、教科書通りに「スチムソン法」を試みました。(ベッドに腹ばいに寝てもらい、脱臼した腕をベッドの端から床に向かって下げてもらい、そこにおもりをぶら下げて自然に整復されるのを待つ方法。)
全く入る気配なし!(>_<)
次に、パワーで勝負の方法、「ヒポクラテス法」を試みました。(脱臼した腕をつかんで、腋に足を入れて力にまかせて整復する方法。)
入る気配がない上に、相手の腋に入れた自分の足がつりそうになり、リタイア!(T_T)
結局、あきらめて、深夜でしたが整形外科の医師をコールしたのでした・・・・。(苦労はされていましたが、まるで関節技の達人のような動きで整復されていました。)
2人目の方も5回目の脱臼の方でした。手術は受けていませんが、筋骨隆々のたくましい方でした。前回の敗戦(?)が脳裏をよぎりましたが、もう一度頑張ってみたのでした。
まずは、前回同様、「スチムソン法」です。
全く入りません・・・。しかし、まあ、想定の範囲内です。
さらに、徒手整復を試みたあと、今回は、ヒポクラテス法ではなく、「伝家の宝刀(?)、「肩甲骨回旋法」」を繰り出してみました!(←プロレスか!)
まず、関節内に局所麻酔(1%キシロカイン10ml)をしたあとに、腹ばいでベッドに寝てもらい、肩甲骨を徒手的に回旋させながら脱臼した骨頭を入れに行く方法です。(医療関係者以外の方にはわかりにくくてすみません)
この方法をやる際、患者さんには指をのばしてもらい、床に手をつけるイメージで腕を伸ばしてもらうのがコツのようです。
この方法は痛みも少なくなるし、「これは無理かな~」と思った患者さんでも容易に整復できることもありおすすめです!(自分が知ったのは「救急医学」(へるす出版)の特集号でした。興味のある方は調べてみてください。他の書籍にものっているかは不明です。)
ちなみに、この患者さんも何とか戻すことができました。(額に汗かきながら時間はかかりましたが。(^_^;))
というわけで、7月の脱臼整復は今のところ一勝一敗!次も勝ちま~す(?)!!!
(注:研修医の皆様へ。決して関節内局注をすすめている訳ではありません。ご自分にあった方法で患者さんの苦痛を一刻も早くできる方法を選択しましょう!)