救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。
by nozakoji
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バックボード固定、あなたならどうする???

 救急隊員の方から、ご質問いただきましたので、私なりに考えてお答えしてみたいと思います。<(_ _)>

 今回は、一般の方への配慮はない文章(=専門用語あり)になっているかと思います。お許しください。

〔症例〕85歳・男性・高さ約2.5mの屋根からの転落。

→高齢者というだけでドキドキしますね。高齢者は若者に比べて「え、こんな受傷機転で?」という外力でも重症外傷を負っていることがあります。また、痛みもはっきり訴えないことも多々あります。また、いろんな合併症もあり、いろんな薬も飲んでいます。(特に、注意すべきは、抗凝固薬など。)

転落地点は土。バイタルは正常。麻痺等なし。主訴は腰部痛及び左臀部痛。左臀部から少量の出血あり。止血済み。屋根から転落後、徒歩で自宅内に入り汚れた衣服を着替えたとのこと。受傷時間は救急車要請の1時間前。

→バイタル正常で少しホッとしますね。しかも、下はコンクリートではなく土。
 ・・・・しかし、高齢者は脈拍を減少させるような薬を飲んでいることもあり、ショックがわかりにくいこともあります。また、骨も容易に骨折します。
 痛みの場所からは、脊椎系の損傷以外に腎損傷、碑損傷も疑わなくてはいけません。歩けても骨盤骨折も考慮すべきでしょう。


救急隊到着時は、自宅玄関で座位の状態で腰部痛を訴えていました。以上のような症例です。

→高齢者、受傷機転、腰痛、、、、いや~な感じです。(^_^;)


お叱りを受けたというのは、バックボード固定をしていなかったことです。確かに高エネルギー事故ですが、自分的には必要がないと判断しバックボード固定をしませんでした。確かに高エネルギー事故に該当しますし、医師の言ってることも間違っていません。

→おっしゃるように、間違いなく高エネルギー事故です。ボード固定でよかったと思います。背骨に圧痛がなくても圧迫骨折があることはよくあることです。
 しかし、救急隊員さんが観察の結果、「必要なし」と考えたならその根拠をきちんと説明するとよかったと思います。
 いつも救急隊の方に言うことですが、JPTECの活動は、「なにも考えずに脊柱固定すること」ではありませんよね。「きちんとバイタルサインや、解剖学的所見をみること」ですよね。それができているのなら、
 「こういう状態でした。これも考えましたが、固定は行いませんでした。搬送中はこんなことをきちんと観察しました。」
 と伝えるといいと思います。

  しかし、この症例では「高齢者の高エネルギー事故で腰痛あり」ですから、重症外傷が考えられます。二次損傷を防止する観点からは、L&G症例としてボード固定&酸素投与が患者さんのためかと思います。(脊柱の変形が強くて固定ができない、側臥位の方が患者さんが楽だ、などの理由があれば、ボードじゃなくてもOKでしょう。その代わりいつも以上に慎重な観察が必要です)

帰署後に調べると現在のガイドラインには高さの基準がないのですが、以前のものには6mとありました。屋根の高さ、観察の結果からバックボード固定必要なしと判断した自分の考えは間違っているのでしょうか?高所墜落の基準は?という疑問でした。申し訳ないのですが、先生はどう考えますか?よろしくお願いします。

→おわかりのことか存じますが、ガイドラインはあくまでも「ガイドライン」。症例にあわせて柔軟に対応することが重要です。今回の症例で一番気にしなくてはいけないことは、高さのことももちろんですが、「高齢者」であるということかと思います。
 小児、妊婦、高齢者は、健康な成人の外傷とは全く違うと考えていいと思います。軽微な外傷でもオーバートリアージする必要があると思いますし、本症例でも受け入れ医師はそのように考えたのではないでしょうか?


 救急隊員さんの現場活動に間違いはなかったはずです。ただし、患者さんに不利益なことが起きないように、今後の改善点をあげるとしたら「高流量酸素投与&ボード固定」をおこなう症例であったと思われます。


 お答えになったでしょうか???


 「ブログ上症例検証会」になってしまいましたね。(笑)

 
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by nozakoji | 2008-10-17 02:26 | 救急の話 | Comments(12)
Commented at 2008-10-17 07:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nozakoji at 2008-10-17 08:59
非公開Nさん、こんにちは!(^^)/

Nさんにそういっていただけると幸いです。よかったです。

風のガーデンは、当直中のため見られませんでした。残念。
Commented by natz76 at 2008-10-18 22:13
はじめまして、いつもこっそり&楽しくお邪魔してました。初めてコメントします♪
私はオペ室看護師なのですが、最近は救急外来の助勤にも出ており救急医療の難しさ、責任の重さ、体力の必要性を感じています。
「辛い~やだ~」と思うことが多いですが、最近になってようやく面白さも垣間見えてきたりしています。先生のタイトルの「難しい・・・」の「・・・」も「けど面白い」を隠しているのでは??♪
是非、これからも参考にさせてください。リンク失礼します^^
Commented by nozakoji at 2008-10-20 17:56
natz76さん、こんにちは!コメントありがとうございます!

オペ室から助勤ですか、お疲れ様です。<(_ _)> ORもERもどちらも特殊な環境でありますので慣れるのも大変でしょうね。がんばってくださいませ!(^^)/

>先生のタイトルの「難しい・・・」の「・・・」も「けど面白い」を隠しているのでは??♪
→鋭い!(笑)確かに、そういう気持ちがどこかにあるから続けているのだと思います。どんな仕事もつらいところだけじゃなく、楽しさがないと続けられませんよね。

>是非、これからも参考にさせてください
→参考になることはあまりないですけどね。(^_^;) お暇なときに覗いてくださいませ!
Commented by パララパ at 2008-10-20 20:53 x
お久しぶりです。先日大分外傷セミナーでした。。
インストラクションしていて思うのですがJPTECではBB固定が当然であると受講者は思われてるような気がしませんか?しかしながらJPTECを受講し、いざ現場で外傷に当たった時、なかなBB固定できてない隊をよく見ます。受傷機転もそうですが患者の背景も視野に入れ、柔軟な考えを持って頂けるよう指導していきたいです。
PS

そこそこの年齢になった昔ながらの救命士は全てではありませんが、JPTEC嫌いなのですかね?最近そう感じてます(ToT)
Commented by nozakoji at 2008-10-21 20:28
パララパさん、こんにちは!セミナーお疲れ様です。

>JPTECではBB固定が当然であると受講者は思われてるような気がしませんか?
→これは仕方がないでしょうね。シナリオが重症例ばかりですので。自分も8年前にBTLSを受講したときはそんな受講生だったと思います。(笑)

>柔軟な考えを持って頂けるよう指導していきたいです。
→その通りだと思います。がんばりましょう!


Commented by 山いるか at 2008-10-24 23:58 x
先生のコメント通り、JPTEC(コース)ではBB固定が常識となっています。
だってロード&ゴー症例しかトレーニングしませんからね。^^;
これがJPTEC嫌いの消防職員の「なんでもかんでも固定か?」という突っ込みどころとなっているように思いますが、決してそうではないというのはご承知の通りです。
ご紹介の症例では、固定をしなかった根拠が明確になっておりません。
BB固定には、利もあれば不もありますので、そこの判断は救急隊長の、隊の裁量となるように思います。
個人的には、転落症例で症状があれば固定するでしょうねぇ。

帰するのは、すべては患者のために。

Commented by yangt3 at 2008-10-26 11:55
うちの病院では、若いスタッフとベテランスタッフの間で
BBの議論が怒っています.
というもの古い先生がBBの理解が今ひとつという状況が
あるからです.
私も外科系ではありませんが
正しいBBの使い方を勉強中です.
マイBB欲しいなあ、といっているスタッフもおります(笑)
Commented by nozakoji at 2008-10-29 12:31
山いるかさん、こんにちは!(^^)/

補足コメント、ありがとうございます!

>帰するのは、すべては患者のために。
→その通りですね!がんばりましょう、お互いに!
Commented by nozakoji at 2008-10-29 12:34
yangt3先生、こんにちは!

>古い先生がBBの理解が今ひとつという状況があるからです.
→これは是非、消防の方にきてもらって講義、デモをしてもらうといいでしょうね。すべては患者さんのためですから。

>マイBB欲しいなあ、といっているスタッフもおります(笑)
→これはさすがのボクでも持っていません。(笑)サーフボードにも使えなさそうですしね。
Commented by ともこ at 2011-10-19 19:03 x
初めまして!神戸の専門学校に通っています。JPTECは本当に練習あるのみですよね。大変(笑 この高齢者の症例では確かsにBBでの全脊固定は必要かと思います。私の通う学校では、高エネルギー外傷、L&G宣言が出た時点でBB固定も決定しますし!お互い頑張りましょう!
Commented by nozakoji at 2011-10-23 16:28
ともこさん、コメントありがとうございます!

コメントをいただいたことで、3年前の記事を見ることができて新鮮です!(笑)
大事なのは、L&Gの理由をしっかり考えることです。初期評価の異常なのか、全身観察の結果なのか、どちらも異常はないけど、高エネルギーだからなのか。
しっかり学んで患者の立場に立った救急隊員、救命士になってくださいね。
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