2008年 12月 08日
消防学校の講義担当分が終了!
学生(といっても消防職員)はまだ救急車には乗っていない方達なので、医学的にまだ素人の方達です。その人たちが、消防学校の寮に入り約3ヶ月近く軟禁状態になりながら基礎医学から臨床までを学ばなくてはならないのでかなりしんどいと思います。
また、みんながみんな救急をやりたくて来ているわけではないので、本当に大変だと思います。(その後、救急救命士になる方は実務経験のあと救命士の研修所に行ったりします)
さて、今回の担当分野は、前任者の担当範囲を引き継いで「検査」と「ショック」です。
1日に4コマ(1コマは50分)づつなので、計8コマ。聞く方も話す方も結構、大変です。(^_^;)
あとで聞いた話では、早く終わって「あとは自習!」として早く帰る講師もいるようですが、ご存じのように私はまじめなので(?)、
「きちんと1日4コマ時間いっぱい行い、そして、テキストには載っていないなるべく実際の症例もお話しする!」
というスタンスで講義準備をさせていただきました。(学生には迷惑ですね、たぶん。)
1回目の講義時は「ショック」2コマ、「検査」2コマ(血液検査を中心に)を話しました。ショックに関しては、ショックの分類を話したあとになるべくその実例を提示するようにしました。そうしないと文字の講義ばかりになってしまい、お互い眠くなりますし、理解もしにくいと思います。
そして、先日の2回目の講義は「検査」のうち、画像検査、心電図の基礎を中心におこないました。
画像では、レントゲンやCTを示したのですが、なるべく搬送症例の多いものを選んだつもりです。(脳卒中、高齢者の大腿骨骨折、腹痛、脱臼、異物誤飲など)
救急隊の方は患者さんを搬送すると、次の搬送に備えてまた署に戻らなくてはいけないので、自分の搬送した患者の画像を見る機会は少ないと思います。なので、
「こんな受傷機転で搬送されてきた。すると写真はこんな風になっていました。」
「意識レベルもよい状態で運ばれてきた脳出血の患者さんです。数時間後に急変したときにはこのように出血が広がっていました。」
と、少し院内の経過もわかってもらえるように講義をしたつりです。(意図が伝わったかは不明ですが。(^_^;))
心電図については、なるべく基礎的な部分を説明したあとに、看護師さん向けの教材である
パワーアップ版 モニター心電図トレーニング CD-ROM
を使用して、動く波形も見ていただきながらの講義といたしました。(「DSのソフトも出るよ~」と説明もしました。)
きっと、紙に印刷された心電図波形をみるよりは理解しやすかったのでは、と思っております。(私の力ではなく、メディカ出版の力ですが。(^_^;))
あと、1回目と2回目の講義で明らかに違っていたのは、寝ている方の人数でした。きっと、もう疲れてきたのでしょうね。
今回、ほぼ全員が目を覚まして自分の話を聞いてくれたのは、画像診断の話のなかで「おしりからガラスの瓶を入れて取れなくなった中年男性の話」をしたときだけでした。
いくつになっても学生にはウケますね、下ネタって。(苦笑)