20代の心肺停止・・・・。(前編)

 「そちらへかかっている20代のCPA(心肺停止)症例の受け入れをお願いします!」というホットラインが入りました。 来院前のnozakojiの予想は「何か食べていて、けいれんを起こして窒息?」といったものだったのですが、実際は違いました・・・。

 患者さんは、当院には「てんかん」などでかかっているのですが、家で倒れて、救急隊が到着したときにはCPA(現場の心電図は心静止)になっていました。

来院時も心電図は心静止でしたが、最初に目についたのは「外頚静脈の怒張」でした。(写真参照)
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 「外頚静脈の怒張」があるということは「胸の中で何か重大なことが起きている!」ということです。心臓に戻りたい血液が胸の中で重大なことが起きているために、戻れなくなって頸の部分で留まってしまうのです。

 もう一つおかしいのは、バッグで押しても気管挿管しても胸の挙上が得られず、換気が困難であったことです。挿管後に慎重に聴診をしましたが、右はほとんど聞こえません。でも左もイマイチ聞こえない・・・?口の中に異物はなく、チューブ内からも喀痰の吸引は無し。

 nozakoj心の声: 「気管の奥に何かあるのか??」

 とりあえず、救急隊にお手伝い頂き、ACLS(2次心肺蘇生方法)をしながら、心肺停止になった原因を考えてみました。

 救急部に心停止で来る患者の内因性の原因としては、①心疾患(急性心筋梗塞など)、②大動脈疾患(胸の大動脈が破裂したり。)、③重症のくも膜下出血、④窒息などが挙げられます。(注!他にもたくさんありますよ!)

 nozakoj心の声:「でも、この20代男性では、①②はないだろうし、挿管したところ④もないかな・・・するとやはりあれだよな・・・。」

 心エコーでも明らかなものは何もなさそうなので、私はちょっと(かなり?)ためらいつつもあることをしたのでした・・・。
 
  さて、私はまず何をしたのでしょうか???

A:静脈留置針による胸腔穿刺をおこなった!
B:「ふっ、胸に何かあるな。」と考え、胸部レントゲンを撮影した!
C:頚静脈が怒張しているのをいいことに、いとも簡単に外頸静脈から中心静脈カテーテルを留置して昇圧剤を投与した!
D:開胸心マッサージをおこなった!
E:天に祈った。(無宗教)


 心肺蘇生においては基本的なことなので「簡単じゃ~ん!」と言う方もいらっしゃると思いますが、次回まで引っ張ります!

 
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by nozakoji | 2005-11-06 01:42 | 症例の話

救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。
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