救急講習における受講生への教え方・伝え方って難しい・・・。

 那覇空港であんな災害が起きるとは驚きました。一応、「出動がかかるも・・・」という心構えでいましたが、大きなけが人が出ることもなくてホント、良かったです。

 さて、前回の記事に対して、普通救命講習を受講された「元保育士さん」が受講後の貴重な感想をお寄せくださいましたので、それに対する返信コメントを記事として書かせて頂きます。

以下、頂きました3つのコメントを編集させて頂きます。(注:太文字は私が編集した部分です)青文字がnozakojiの返信コメントです。私も含めて、蘇生講習を担当する立場の方に参考になれば、幸いです。(私は非常に参考になりました。)
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 4時間の普通救命講習、行ってきました。

 実技は、2つのグループに分かれてやったのですが、先生によって全然雰囲気が違って、両方のグループで勉強したかったと思いました。うちのグループは淡々と技術の習得、評価は甘め、向こうのグループは、迫真の演技(というか実際の場面ではあんなふうになりますと言われました)と、先生の厳しい指導でした。

 →一昨日、「蘇生講習を行う際にどのように教えたら、受講生の方が満足してもらえるのか?理解を助けることができるのか?」ということについて学ぶためのコースをお手伝いしてきました。教え方はインストラクターの性格的な部分や、考え方により変わってきます。元保育士さんは非常に勉強熱心なので「厳しくしてほしい」という気持ちももたれたのでしょうが、人によっては厳しい指導が辛いと思う方もいます。なので、どちらが正しい指導方法なのかは終わった後の受講生の満足度を調査しないとわかりません。
 ホント、人に教えることは「難しい・・・。」です。(^_^;)


 
 休憩時間にちょっと胸骨圧迫を練習していたら、怖い方の先生から、思い切りダメ出しされました。「ほら、ひじ曲がってる、手首より肩は前」って。

 →自分は、講習会ではダメ出しはしないようにしてます。休憩時間に練習をする「やる気のある素晴らしい受講生」には、
 「自主トレですか?すごいですね!(しばらく見てから)そうですね~、肘を曲げないように胸骨圧迫をするとしっかり強く押せると思いますよ。どうです?しっかり押せてますよね!」というようになるべく否定的な教え方はしないようにしています。



 AEDの使い方は、操作自体は難しくないけど、使いこなすのは結構難しいと思いました。胸に金属があったらいけないし、ペースメーカーあったら、離してパッド貼らないといけないし、水に濡れてたら拭いてからだし。
私がAEDを操作する時の設定は、「プールのシャワールームで人が倒れている」だったのに、いきなりパッド貼ろうとして、ストップかかりました。「胸は濡れてるでしょ?」って

 →これも蘇生人形を用いて講習を行うときには出てくる問題点ですね。実際に人形に水を振りかけることができないのなら、インストラクターは受講生がパッドを貼る前に「さあ、体は濡れてます。安全に、そして効果的に電気を流すためにはどうしたらよいと思いますか?」と先に状況設定を詳しく、かつわかりやすく伝えなくてはいけないと思います。 


 テキストには書いてないようだったけど、大事だと思ったことがありました。
傷病者の家族がそばにいる場合、家族は傷病者にとりすがって、「お父さん、お父さん」とか言ってる。AEDを初めて見る人は、あんなもの怖いと思うかもしれない。しかもそれを素人が扱う。そしたら、ショックをかけようとした時に、「そんなことやめてー」って飛びついてくるかもしれない。その時、ちょうどショックを実行したところだったら、家族が感電してしまう。
だから、AEDのショック実行ボタンを押す時はくれぐれも確認が必要。そして、家族に落ち着いてもらえるように、またショック実行の時に傷病者から引き離すために、周りの人に援助を求めることも必要。向こうのグループはそこまで踏み込んでやってるみたいでした。


 →そうですね、AED(自動体外式除細動器)を使う上で一番重要なのが、「安全に行うこと」です!そのためには、自分や周囲の方が患者さんの体に触れていないことをしっかり確認するのが重要ですね。


 胸骨圧迫、30回はとても疲れるものですね。30:2を3回ぐらいしかしていないけれど、それでもだんだん圧迫が弱くなっていました

 →お疲れ様でした!胸骨圧迫(注:=心マッサージのこと。2005年より「胸骨圧迫」と統一された。)のポイントは「強く、速く(100回/分)、絶え間なく!」です!なので、圧迫が弱くなれば決して頑張り続けずに、すぐに「すいません、胸骨圧迫を代わってください!」ということが重要ですよね!


 AEDが有効な例は限られている、しかし、有効な例ではとても有効で、しかし、有効であるためには1秒でも早くショックを実行しなければいけないことも学びました。

 →おっしゃるとおりです!素晴らしい理解力です!有効な例には、一秒でも早く電気ショックをすることと、しっかり胸骨圧迫をすることが重要です!


 「色々具体的な場合を想定して考えてみてください」と言われましたが、色々想定すると、まだまだ学んだのは一部だなと思います。どこかで、もっと学べるところがあればいいけど、なかなかなさそうです。とりあえず、日赤の支部のホームページにアクセスしたら、色々な種類の講習があるみたいで、興味を持ちました。時間が取れれば、ですが、難しい面もあります。
とりあえず、今日のテキストと、「救命蘇生法の指針」を読んで復習します。

 →日赤以外でも講習を行っている団体もあるようですが、自分は消防で受講するのが一番良いかな、と思っております。(受講料的にも、インストラクターの質的にも。)


 長々とお邪魔しました。

 →いえいえ、受講後の感想を詳細に教えていただけて、自分はすごく嬉しかったです!インストラクターの中には、教えることに慣れてくると、初めて受講する方の気持ちを忘れてしまう方がいます。(自分もか?!(^_^;)) たくさん教えすぎたり、初心者にとって難しい言葉を使ったり、話すぎて実技が少なくなったり・・・。
 
 今回のコメントを拝見して、改めて、「受講生が喜んでくれるような指導を今以上に心がけよう!」と強く誓った私です・・・・。m(_ _)m

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by nozakoji | 2007-08-20 23:15 | 救急の話

救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。
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