救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。
by nozakoji
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傷は不必要な消毒ならしない、不必要な縫合もしない。

 ※きたねこ先生にコメントを頂き、表現を一部変えました。
 
 ここ数年、傷の処置に対する常識は大きく変わってきました。

 以前の私なら、外傷で患者さんが救急外来に来ると、ほぼ全例、すぐに茶色い消毒液(イソジン液)で傷口を消毒していました。傷を洗うときは、生理的食塩水を使用していました。そして、擦り傷のように縫う必要がなければガーゼを当てて帰宅させていました。また、少しでも傷が開いていれば、必ず縫っていました。

 今は、違う方法もあります!

 例えば、以下の写真の傷は、おでこを壁にぶつけてぱっかりと傷口が開いた患者さんでしたが、傷口は水道水で軽く洗ってあとは傷をあわせるテープで傷を閉めただけです。4日目にはこれぐらいの傷になりました。このあとは、さらに傷の治りをよくする被覆材(傷を乾燥させないようにする)をあてて経過を見ましたが、きれいに傷は治りました。
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 押さえつけて痛み止めの注射もしなくていいので、子供にもやさしい治療です。縫合した場合に残る可能性のある糸のあとも残りません。(注:特に顔面の傷に有効です。手や足など動かす部分の傷は開きやすいので縫合が必要なことが多いです。でも、不必要な消毒はしません。)


 
 傷治療の基本事項として自分が気をつけていることは、

 ・必要なければ消毒はしない(消毒液そのものが傷の治りを悪くする。)
 ・傷は乾かさない(湿潤環境を保つ。ガーゼもあまり使わない。※例外あり。)
 ・傷を洗うのは水道水でOK(飲み水は汚くありません!)
 ・少し開いた傷でも縫合は必ずしも必要ない。(特に顔面。※絶対に縫わないわけではない。)


 といったところです。(全症例というわけではありません。私の手に負えない(外来で長期フォローが必要な方、感染が起きる可能性が高い方など)と思えば適宜、専門医にコンサルトしています。)

 あとは、被覆材もいろんなものがあるので適宜組み合わせて使っています。(注:傷のタイプ(例:動物にかまれた汚い傷など)によっては治療方法が違うこともあります。)

 この治療方法は、夏井先生のHP(以下にリンクを載せます)や夏井先生の本で学んでやり始めましたが、本当に良い方法です!自分の満足度も患者の満足度も高いので今後もさらに勉強して続けていきたいと思っています。

 この治療方法をやってからは、キズド●イスプレーとか、マキ●ンなどは何もいいことしていない(逆に悪い!)ということがよ~くわかります!

 私たちが使っているのと同じ材料の被覆材で市販されているモノとしては、キズパワーパッドというものがあります。少しすりむいたキズなら、水道水で洗って砂を落とし、ティッシュで水分を拭き取って貼るとかさぶたも作らずにきれいに治ります!
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 (※きたねこ先生のコメントにありますように、屋外で泥だらけ、砂だらけのキズはしっかり洗い流さないと、逆に治りにくい可能性もあります。)
 夏井先生のHPはここです。実際の治療例などは本当に勉強になります。(血に弱い方はあまり見ない方が良いかも。)

 
追記: ※医療従事者以外の皆様へ。

 このやり方が万能ということではありません。私も、自分で外来フォローできる方を中心にこの療法を取り入れています。「私が行った病院では縫われた!」とか、「消毒された!」などというご意見もあるかと思いますがそれが悪いわけではないと思っていただきたいと思います。必要に応じて一番よいと思うことを医師はやっているわけです。
 



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by nozakoji | 2008-08-30 11:56 | 救急の話
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