ある病院での外傷初期治療について質問をいただきましたが・・・。

 コメント欄にある救急隊員の方(マーベルさん)から質問をいただきました。経過についてはそちらをご覧ください。


 さて、今回の症例については、搬送病院の医師に直接お話を聞くのが良いと思います。(あるいは症例検討会で取り上げるとか。)きっと「PTDではなかったか?」と思われているのでしょうから・・・。

 ご自分の現場活動に対して「私の活動はどうでしょう?」というご質問にはお答えできますが、院内の治療経過に対して、その医師の経験年数や外傷に対する病院の対応能力もわからない上で、「これは間違っている!」などは言えません。(後出しジャンケンは必ず勝ちます。その場にいない医師がケチをつけるのはいくらでもできます。)

 なので、一般的なことのみお答えさせていただきますね。

疑問点

1.輸液全開でも血圧は上昇しなかったのは輸液でも補いきれない出血  量だったのか?又は閉塞性ショックだったのか?エコーで腹腔内出血 は無いと診断したのに・

→身体所見、画像を見ていないので全くわかりません。患者さんが死亡された症例なので、ブログだからといっていい加減なことは言えません。(書けません)

2.胸腔ドレナージ実施後も皮下気腫が見られた。それについての対応は 無かったのか?

→ドレナージをしても、すぐに皮下気腫が消えてなくなるわけではありません。人工呼吸(陽圧換気)も始まったようですし。もちろん、呼吸・循環の変化からドレナージが効いていないと考えれば、もう一本追加挿入するでしょうね。

3.バイタルが安定していないのにCTを撮る必要はあったのか?

→JATECのガイドライン的には「NO」です。(CTは死(C)のト(T)ンネルです) しかし、外科医といってもいろんな先生がいます。外傷センターではない病院の救急室でCT画像なしでお腹をあけてくれる外科医&病院は少数派です。外科医が治療のためにまずCTが必要と感じたのなら決して間違いではありません。

4.容態悪化しCPAとなればCPRが最優先ではなかったのか?

→CPAでCPR以外に最優先するものがありますでしょうか。医師からの指示がなくても近くで気づいた人間が胸骨圧迫すべきです。なぜしなかったのでしょうか?(「脈触れません。胸骨圧迫開始します!」といわれて怒る医師はいないと思います)



 自分も重症外傷が来て救命できなかった時には、いろんな反省点が出てきます。後悔もします。きっと受け入れ側の医師も、「他に何かできなかっただろうか。」と考えているのではないでしょうか。
 顔の見えない関係の私にではなく、顔の見える関係の搬送先病院の医師に同様の質問をしてみてはいかがでしょうか?患者さんのためにも・・・・。

 
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by nozakoji | 2008-11-29 17:00 | 救急の話

救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。
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