2009年 02月 11日
感染防御具の着用は誰のため???
病院内で患者さんに中心静脈カテーテルを挿入するときには、キャップ、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋を装着するのが
常識
です。
そうでなければ、患者さんにバイ菌がついて感染のリスクが数倍にまで高くなってしまいます。(病棟、ICUでは、マスクとガウン、手袋は着けてもキャップをしない方が結構多いです。)
マスクと滅菌手袋のみで挿入している方は、自分の頭、露出した腕、着衣からは患者さんの感染のリスクとなる毛髪、落屑などが落ちる可能性があることが全くわかっていない方です。
(最近、「中心静脈挿入時に私はガウンはなくても大丈夫」的な発言をしている医師がいてビックリしました・・・。何が大丈夫なのか、意味不明です・・・。(^_^;))
もちろん、血管内に入れるカテーテルですから、血液に触れる可能性が非常に高く、「医療従事者自身の感染を防ぐ」という意味からも、感染防御具の着用は必須であります。
また、感染防御具は処置が終わり次第、速やかに感染物専用のゴミ箱に入れるのが常識なのですが、処置後もそのままガウンや手袋をつけたまま他の作業を続ける人もいます。
例:硬膜外ブロックを終えた麻酔科医が、血液のついた手袋のまま麻酔器をさわり、人工呼吸を開始する。バッグ、麻酔器、麻酔記録には患者さんの血液が付着・・・。
例:中心静脈カテーテルを挿入後の麻酔科医が、「手術室が寒い」という理由で、ガウンを脱がずにいる。知らない間に、ガウンについた血液・体液が周りの物品、人に付着・・・・。
患者さんの感染防止、自分自身の感染防止、そして、周囲の方への感染伝搬防止。このあたりをきちんと考えて感染対策をやっていきましょう。(自分自身もさらに気をつけていきたいと思います。)
でも、このあたりがわかっていない方が病院内にはまだまだ多いです・・・。(>_<)
そういえば、北国大学の手術室で働いていた時代に、「nozakoji先生に注意されるから手袋をはずさないと・・。」という発言を聞いてがっかりしたこともありました。
追記:救急外来などで一刻を争うようなときは、ガウンを着ないで入れるときもあります。(言い訳しておきます。(苦笑)その代わり、感染リスクについてはきちんと考えているつもりです。)