とりあえず、今日で仕事納めの私です。明日からは、腰下肢痛緩和のために温泉に行ってきます!(完全に爺さんですね・・・。(笑))

 先日、交通外傷で搬入された患者さんの話です。20代男性が交通事故で、下肢をダッシュボードに挟まれて、動脈が閉塞してしまったため臨時手術が予定されました。

 近くに親・兄弟がいないということで、担当外科医が遠くにいるお姉さんに電話をしました。横で電話を聞いていると、何だか話しがうまく進みません。

 外科医:「いや、確かにこんなご時世なのでお気持ちはわかりますが、、、、、本当に詐欺ではないんですよ。じゃあ、、、、わかりました。そちらから弟さんの携帯に連絡下さい。それでは。」
 
 nozakoji:「どうしたんですか?」

 外科医:「いや~、振り込め詐欺に疑われちゃいましたよ~。は、は、は。」

 nozakoij:「は~?」

a0031617_10391561.jpg 
 話しを聞くと、別にお金を振り込めと言ったわけではないのに、イタズラか詐欺に違いないと、疑われたそうです・・・。(ものすごく紳士的な外科医で優しい語り方をする先生なんですけどね。)
 遠くの家族にムンテラ(患者さんに病気の説明をする医療業界用語)をするのも難しい時代になりました。

 「振り込め詐欺」関連ではウチの上司のF医師の奥様のところにも、以下のような電話がきたことがあるそうです。

詐欺:「○○病院です。お宅の御主人が医療ミスをした。示談金が必要。ご主人はショックで泣いていて電話には出られない。」 (50代のベテラン医師が泣くとは思えないですけどね。(笑))

 でも、この詐欺師のミスはそのF医師が○○病院にいたのは3年位前だったと言うことでした。(でも、奥さんがそのことを言うと、「いや、今日は来てたんです!」とその男は言ったそうです。すごい、アドリブ!)
 
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by nozakoji | 2005-12-28 10:39 | 救急の話

 久しぶりに個人病院当直中のnozakojiです!朝は、「あ!サンタさんのプレゼントだ!!!」というまだピュアな心が残っている娘(4才)の言葉を聞いてから出勤してきました。

 今日はクリスマスなので、「夫婦愛を感じた症例(?)」を思い出しました!(^_^)v

 10年前の研修医時代に、S川市立病院で当直をしていた時の話です。

 「nozakoji先生、乗用車の単独事故が搬入されます!」と看護師さんに呼び出され、まだ研修医であり経験の少ない私はかなりドキドキしながらERに向かいました。

 a0031617_2120527.jpgERに到着していた救急隊員の話では、路肩に乗り上げて車が止まるような形で発見され、明らかな外傷は無いとのこと。でも、症状から、頭部外傷も疑われるとのこと。私は患者に近づくと「わかりますか?」と50代の男性患者に話しかけました。

 患者:「あ、わ、わ、が、がぁ、どぅ。(わかる。)」

 言語障害がありますが、頷いてくれますし、こちらのことは理解してくれています。四肢の麻痺はあまりハッキリしません。現在治療中の病気もないとのこと・・・。

 (「あ、これは、交通事故ではなく、きっと先に頭の中で出血とか脳梗塞をおこしたんだな。」)と研修医の足りない頭で考えた自分は、まず、一般採血と、脳CTを行いました。

 CT画像の完成と検査結果を待っているときに、、奥様がERに到着しました。自分は、「交通事故かと思ったが、おそらく頭の中で何かが起きたために運転がうまくできなくなり、車が止まったのであろう。」と説明しました。

 奥さんの到着に気付いた患者さんは、必死に何かを訴えようとしています。

 患者:「ばぁ~、びぃ~、しぃ~、でぇ~どぅ~。」 

 nozakoji &奥さん:「?」「これから検査だから、話さなくて良いですよ。大丈夫ですよ!」

 それでも、患者さんは必死に続けます。

 患者:「あ、あ~、えぃ、い~しぃ~、でぇ~るぅ~・・。」(あ~い~し~て~る。)

 nozakoji &奥さんは、ほぼ同時に「愛してる」と言っていることに気付きました。もう、自分は一生話せないのだろうと感じた患者さんは、必死に奥様に「愛してる!」という自分の気持ちを伝えていたのです!(T_T)

 奥様:「お父さん、わかったから!話さなくて良いから!!!(涙)」

 その後、頭部CTが完成しましたが、ハッキリした出血はもちろんありません。「と、言うことは、脳梗塞かな。梗塞ならCTにすぐには出てこないはずだし。」と考えた研修医nozakojiは脳神経外科医をコールしました。すぐにERに到着してくれた脳外科医は、簡単に神経学的所見を取り、CTを見て、最後に、丁度届いたばかりの採血結果に目を通しました

 脳外科医:「低血糖ですね~。ブドウ糖を注射しましょうか。」
 
 採血結果を見ると、「血糖値が20台」でした・・。(正常は100前後)

 ブドウ糖を注射すると、患者さんは先ほどまでの言語障害が嘘のように改善したのでした。

 患者:「あれ、大丈夫だ!ちゃんと喋られる!良かった~!どうも、ありがとうございます!」

 なんて事はない、低血糖による症状だったのでした・・・。(家族歴に糖尿病がありました。)
脳外科医の再診察の後、地元の医療機関の内科を受診するということで話がまとまり、しっかりとした足取りで帰宅されたのでした。先ほど奥様に「最後の愛の告白」をした方とは思えないほど「亭主関白な態度」で・・・・。

 教科書的に意識障害を見たら血糖値をチェックするなんてことは当直医の常識なのですが、当時1年目研修医の私はすっかり忘れておりました・・・。(恥)
 また、この患者さんの症例を通じて、ブドウ糖注射をするだけで、劇的に症状が改善する低血糖症状の凄さ(?)を医者になって初めて感じたのでした。

 自分がもっと早く気付いていれば、みんなの目の前で奥様に「愛の告白」をしなくて済んだのに、と思った症例でした。(でも、奥さんにとっては夫の気持ちを言葉で確認できた良い機会(?)だったのかもしれませんが・・・。(^_^))
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by nozakoji | 2005-12-25 21:24 | 症例の話

ゴルフが優先かい!!!

 「ゴルフが優先」・・・と言っても、よくいる市中病院の暇な部長クラスの先生のことではありません。(「ちょっと外出・・」といなくなり練習場に行っちゃう先生がいるんです!)

 昔、先輩が救急外来で当直をしていたときの話です。

a0031617_17253928.jpg 「指を誤って切ってしまった患者さんが来院しました」というコールがあり、救急外来に降りていったところ、そこにいた患者さんは明らかに「ヤで始まってザで終わる職業の方」だったそうです。しかも、受傷部位は予想通り、「小指」・・・・。(^_^;)

 先輩「どうしてけがなさったのですか?」
 
 患者「いや~、台所で料理しようとしてたら手が滑ったんだわ。」
 
 先輩「あ、そ、そうですか。で、その指は?」
 
 患者「あ~、持て来なかったな~。」
 
 先輩「あ、そ、そうですか。」


(普通、誤って切った方は、その指や腕を持ってくるのが普通です。(笑))

 まあ、理由はともかく、けがの範囲がいわゆる第一関節(DIP)の部分で皮膚欠損があり、断端形成(キズ口を丸く皮膚で覆うように縫うこと)が必要であることを説明すると、その患者さんは、
 
 患者「いや~お願いがあるんだけど、なるべく関節が少しでも残るようにしてくれないか。それでないと、グリップが安定しないんだってよ。」(←伝聞調。この方の周りには「誤って切った友人」の方が多いようです。(^_^;))
 
 先輩「グリップ?」
 
 患者「ほら、ゴルフクラブのグリップよ!」
 
 先輩「・・・・。」

 確かに、指の関節はちょっと残るか残らないかで機能的に変わってきます。特に、拇指が残るかどうかはその方の人生が変わるぐらい重要です。
 自分で切って置いて(いや、誤って切ったのでしょうけど・・・。)、「ゴルフのために・・・」というのは最低の極●だな~とこの話を聞いたとき思ったのでした。
 
 ERには一生懸命仕事をしていて指を無くしてしまった方や、肉屋でアルバイトをしていて腕を器械に巻き込まれて前腕を失った学生などが搬入されてきます。
 そういう時には「自分で指を落とすような奴らにこの方達の悲しみを知らせてやりたい!」といつも思ってしまいます。
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by nozakoji | 2005-12-22 17:40 | 症例の話

 え~、前回の投稿に対していくつかコメントを頂き、ヒントも書かせて頂きましたが、事の結末をお話ししますね。

 患者さんの前医での温度板を見ていて気付いたのは、

「エピ(硬膜外:epiduralのこと)内容交換」 

の部分です。

 この患者さんは、全身麻酔(ガスになった麻酔薬や、静脈麻酔薬で寝てもらう麻酔)に硬膜外麻酔(背骨のところから細いチューブを脊髄の周り(硬膜外という部分)に留置し、痛み止め(局所麻酔薬)を注入器などで投与する)を組み合わせて術中の麻酔管理がなされていました。

 術中に硬膜外麻酔注入器(写真参照。)に局所麻酔薬が充填され、無くなったのがちょうど搬送されてくる前の日の夜でした。まだ痛みが強かったためか、外科医は硬膜外麻酔注入器に、

局所麻酔薬+レペタン(非麻薬性鎮痛薬)を充填したのでした。

a0031617_9135085.jpg

硬膜外麻酔を施行した患者で、鎮痛効果が弱いときには、麻薬や上述のレペタンといった鎮痛効果のある薬剤を追加するのは「普通の事」です。
 
 ただ、高齢者などでは追加量が多いと重篤な呼吸抑制(1分間に数回しか息をしないとか。)や意識障害を呈することがおきます。(若い方でも量が多いと起こりえます。)

 温度板を見て、「これは硬膜外麻酔が原因で間違いないだろ。」と思ったnozakojiは、まず、硬膜外麻酔注入器の注入を停止にして、その後、

ドプラム(ドキソプラム)を静注しました。

 ドプラムは呼吸促進作用、覚醒促進(?)作用があり、レペタンの副作用に拮抗することができます。(麻酔の教科書的には真の拮抗薬ではないのですが。)

 ドプラム静注後、患者さんを観察していると、すぐに覚醒し、呼吸も十分できるようになりました。こちらの問いかけにもしっかり反応することもできるので、気管に入っているチューブを抜管したところ、第一声は

 「腹、痛てぇ~!」

 でした。(硬膜外麻酔を中止したことと、レペタンの作用を打ち消す薬剤を使用したため。)
 
 結局、前医に原因と経過をお話ししたところ、「は~、そうでしたか。勉強になりました。患者さんは返して頂いて結構です。ご迷惑おかけしました。」ということになり、患者さんは元の病院に帰っていったのでした。

 麻酔科医の経験がないと気づきにくいかもしれないな、と思った症例でした。

 でも、自分がすぐに「硬膜外麻酔が犯人か!」と思ったのは、過去に患者さんに麻薬を入れすぎて「先生、患者さんが呼びかけないと息しないんです!」と呼ばれた経験があるからなんですけどね。(苦笑)
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by nozakoji | 2005-12-21 08:30 | 症例の話

 今日は大学麻酔科医局の忘年会です。しかし、療養中の自分は忘年会には出席せず、その前に行われた医局会議(関連病院の一年の報告や来年の活動方針などを語り合う会議)のみに出席して今、帰宅しました。(2時間以上もホテルの固いイスに座っていたため、腰痛悪化しました・・・。(>_<))

 さて、ある日の症例です。

 
 個人病院からホットラインがなりました。

 A医師:「2日前に胃切除術を行った70代男性ですが、朝方より意識レベルが低下し、呼吸状態も悪化したため、頭CTを施行しました。CT上は出血は認めないので、脳梗塞かと思うのですが、見て頂けないでしょうか?」

 nozakoji:「麻痺などはどうでしょう?」

 A医師:「ハッキリした麻痺はなさそうですが・・・。」

 nozakoji:「わかりました。搬送して下さい」(まあ、脳梗塞なら脳外科医も当直しているのでお任せしよう。)

 
 
 搬入時、患者さんは気管挿管(呼吸を助けるチューブが気管に入っている状態)されており、医師が呼吸の補助をしていました。意識レベルは、痛みの刺激を与えると痛みを与えた場所に両方の手を持っていく程度です。(JCS100。)医師の話では呼吸数が1分間に4回程度とのこと。その他のバイタルサインは安定していました。

 簡単にまとめると、、、

 ・両手足は痛みにより動かすので麻痺はなし。
 ・意識障害と呼吸回数の抑制があり。
 ・前医での血液検査は血糖値を含めて異常なし。
 ・既往歴は高血圧ぐらいだったような気がします。
 ・前医のCTは確かに出血などの所見はありません。

 脳外科医と自分で診察しましたが、脳梗塞という感じではありません。まるで、「薬で寝ているだけ」のような雰囲気です。

 nozakoji:「何か、睡眠薬系の投与はしましたか?」

 A医師:「胃切除後なので、内服はもちろんありません。注射も使っていません。」

 nozakoji:(???)



 a0031617_16301995.jpgまあ、とりあえず、脳梗塞を否定するために、MRI(CTでは映らない梗塞部位がハッキリわかる。)を施行しましたが、予想通り、所見は特にありません。当院の脳外科医も「脳梗塞はないですね~。あとは、薬物とか代謝系の問題でしょう。」とのコメントです。

 「でも、やっぱり、この寝ぼけた感じなどは薬だよな~」と思ったnozakojiは前医の温度板(患者さんの血圧、脈、尿量や投与した薬などを看護師が記録したもの。)を再度よ~く見直してみました。

 
 nozakoji:「手術は胃切除術。全身麻酔で3時間ぐらいか。ふ~ん・・・・・。(ある部分に目がとまりました。)お、もしかして、原因は・・・・。(ニヤッ。)」

 さて、原因は何だったのでしょうか?(仕事を休んでいるためネタも無いので2回に分けます。(笑))
 選択肢は書くとわかるので書きません。
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by nozakoji | 2005-12-17 16:33 | 症例の話

 久しぶりに麻酔の話を書きます。(最近、ほとんど麻酔担当してないけど。)

 a0031617_152223100.jpg今から約4年前、私が術後腰下肢痛で「麻酔フリーター生活」を送っていたときに、母が開腹手術を受けることになりました。私は、その病院の外科・麻酔科にお願いして手術に立ち会わせて頂くことにもしました。

 手術室に入る30分ぐらい前に、母に「麻酔前投薬」が筋肉注射されました。

 
 麻酔前投薬(以下、前投薬)を患者さんに行う主な目的は、「患者さんの不安をとってあげて、軽い鎮静状態をつくる」ということです。
 
 前投薬の種類は色々ありますし、投与の仕方(内服薬、静注、筋注、注腸(肛門から注入。乳幼児向き)も麻酔科医の好みにより様々です。
 研修医が高齢者に多めの量の前投薬を指示してきたりすると、手術室に来たときには「意識レベル300」(体に痛み刺激を与えても体を動かさないほどの昏睡状態!)なんてこともあります!((^_^;)あ、事故にはなってませんよ!念のため。)

 母の場合は、「ミダゾラム」という薬が使用されたのですが、この薬の良いところは「健忘」つまり、手術室入室時の嫌な記憶などを忘れさせてくれるのです。

 
 nozakojiは母が入室する前に手術室に先回りし、「一応、医師であるバカ息子が側にいるよ!」ということをアピールしに行きました。

 nozakoji:(マスクをずらして顔を見せた状態で)「どう、緊張してる?」

 母:「いや~、あの薬、ぜんぜん効かないみたい。眠くならないし、頭もハッキリしてるわ。」

 nozakoji:「うん、まあ、でも、麻酔科の先生はベテランだから、大丈夫だよ。」(あれ、ホントに結構ハッキリしてるな。全然眠たそうでもないな。量、少なめか?)


 その後、安全に麻酔の導入が行われ、夕方までかかる長時間の手術となりましたが、無事、手術は終わりました。

 麻酔の影響も抜けて母の頭がスッキリした状態で、最愛の息子は母に問いました。

 nozakoji:「どこからの記憶が無くなってる?手術室入り口でnozakojiが話しかけたところは覚えてるでしょ?」

 母:「え、あんた、手術室にいたの?」

 nozakoji:「・・・・・」(T_T)


 そりゃ、麻酔科専門医ですから、解っていますよ。しっかり話している方でもあとで全く覚えていない人がたくさんいることは!

 でも、あそこ(手術室での母子の会話)の記憶は残しておいてくれよ、ドルミカム(一般名ミダゾラム)!痛い足を引きづって手術室に先回りした意味ね~じゃん!!!

 ま、母にとっては良いことでしたが。
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by nozakoji | 2005-12-13 15:28 | 麻酔の話

 a0031617_22323642.jpgそれは先週の金曜日に「笑いの金メダル」という教養・・・いや、お笑い番組を見ていたときのことです。
 番組内で「芸人の楽屋に突然、犬が乱入したらその芸人はどんなリアクションをするでしょうか?」というドッキリ&クイズ企画がありました。回答者に対して、3つの選択肢が司会者により示されました。

 司会者:「1番、○○する。2番、えずく。3番、◆◆する。さあ、どれ?」

 nozakoji心の声:「何だ、えずくって?方言を全国放送に流してるのか?いや、そんな訳ないし・・・。」

 番組は特に「えずく」に関しての注釈もなく進行していきます。

 nozakoji心の声:「やっぱり、標準語?でも、今まで聞いたことない・・・。」

 司会者:「さあ、正解VTRを見てみましょう!」

 正解VTRでは芸人が「オエッ!オェ~ッ!」とひどい吐き気に襲われていました。

 司会者「正解は2番、えずくでした~!」

 正直、ショックでした。(T_T) テレビで普通に使われた言葉を知らないなんて・・・・。それもお笑い番組・・・。

 もちろん、ネット辞書で調べてみても、

                 えず・く ゑづく 【〈嘔吐〉く】
              (動カ四)
               食べた物を吐き出す。もどす。
               「むせて―・き惑ひけるほどに/体源抄」


                    ありました・・・・○| ̄|_

 翌日、昭和13年生まれの父(元教師)にも「えずくって知ってる?」と聞きましたが、知らなかったので、私の地元ではあまり使われていない言葉のようです。(ちょっと、安心。(^_^)v)

 ネット上でも調べると、「病院に行って問診票に「えずく」と書いたら、医者や看護師が「何それ?方言?」というような対応をされたという方のブログもありました。

 方言ではないにしても、その使用頻度に地域差がある言葉なんでしょうかね。

 これからはカルテに「症状 えずいている」って書くことにします。(笑)(でも、解ってもらえないだろうな~、たぶん。)

 いや、もしかして知らないのは、俺の家族だけですか?(^_^;)
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by nozakoji | 2005-12-11 22:36 | その他

 すでに自宅療養に飽きてきたnozakojiです。妻がケガしたので久しぶりにカレーまで作っちゃいました。(でも、動くと辛いのは続いているんですけどね。(T_T))

 a0031617_0294965.jpgさて、株とかギャンブルには全く興味が無いので、今、新聞を賑わしている「みずほ証券の株売買ミス」に関するニュースは「へぇ~」という感じの興味しかありませんでした。

 しかし、先ほど見たTVニュースとネット上の以下の記事をよく見てみると、色々思うところがありました。(下線はnozakojiが付けたもの)

(前略)人為的ミスに加え、コンピューターの警告を見落とした点で、UBSとみずほは共通している。
 今回、8日午前9時に新規上場したジェイコム株は、同27分に初値67万2000円をつけた。同じころ、みずほ証券は顧客から「ジェイコム株を61万円で1株売り」の注文を受けたが、担当社員は「1円で61万株売り」と金額と株数を逆に入力、端末の警告も見落とした。大量の売りを受け株価は値幅制限いっぱい(ストップ安)の57万2000円に急落した。
 約1分半後、近くにいた別の社員が警告に気づいた。担当社員は取り消し作業を3回行ったが、その時点の価格で入力しなければならないのに、元の「1円」のまま取り消そうとし続けて失敗、傷口を広げた


 医療従事者、特に、心電図を始めとするモニターがたくさん付いた患者さんを診る立場にある方は、上記のニュースをどのように思ったでしょうか?

【ケース1】
 看護師A:「あら、また人工呼吸器のアラーム鳴ってる。(まず、アラーム停止ボタンを押す。アラームの内容は確認せず。)きっと鎮静薬の量が少ないのね~。nozakoji先生~!」(その場を離れる。)
・・・・・実際には致死的な気道のトラブルが起こりかけていた!


【ケース2】
 麻酔科医U:「さ~て、挿管したので、今度はカテーテルを入れようかな~。」
 研修医A:「あの~、ETCO2モニター(呼吸状態を診るモニター)のアラームが鳴ってますが・・・。」
 麻酔科医U:「え、うるさいから電源オフにしておいてよ。」(警告は確認せず)
 研修医A:「いいんですか?じゃあ、、、。」(電源オフにする。)
・・・・・実際には呼吸を助けるために気管に入れるチューブが、食道に入っていた!

 
 上記は、フィクションなのかどうかは想像にお任せするとして、結構、近いことが医療現場で起きていると思います。

 アラームはこちらの設定方法や患者さんの状態によって、特に致死的なことが起きていなくても「ピーピー!」鳴ることは多いのです。大事なのは、昔話の「オオカミ少年」のように、アラーム音に慣れてしまわないことでしょうね。だって、人命がかかっているんですもん。(人命は数百億の損失より高価でしょう!)

 「他人(他業種)のふり見て我がふりも直そう」と思った本日のニュースでした!

 あ、あと、2月に人工呼吸器のモニタリングやトラブルについて講演する機会があるので「お、新ネタ、ゲット!」とちょっと思ってしまいました。(笑)
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by nozakoji | 2005-12-10 00:28 | その他

 数年前の出来事です。自分は救急当番でしたが救急車も途切れていたので「さあ、仮眠でも取ろうかな~。」と医局に向かうと院内PHSがなりました。(休もうと思うと呼ばれるものです。腹減ってカップ麺にお湯を入れた途端、電話も鳴ります。(笑))

 a0031617_2415015.jpg相手は救急病棟(緊急入院となった患者さんが入る病棟。内科系も外科系も混合となっている。)の顔見知りの看護師でした。

 看護師:「あ、のざこじ先生、今大丈夫ですか?実は脳外科の患者さんが急変しているんですけど、脳外科の先生一人で処置に当たっているものですから・・・・・・。脳外科の先生が救急の先生を呼んでと言ったわけでは無いのですが・・・・。」

 のざこじ:「すぐ、行きま~す。」


 脳外科の先生は自分より5年ほど上の先生でしたが、きっと看護師の電話の雰囲気からは「何かあるんだな?」ということが伝わってきたので、急いでその病棟に駆け付けました。

 病室に入ると脳外科医は懸命に心マッサージ中でした。(すでに昏睡状態の患者さんでしたので呼吸はすでに人工呼吸管理をされていた。)心電図波形を見てみると心室細動(VF)です。除細動器も傍らにあります。
a0031617_215472.jpg


 この場合、痙攣している心臓を治すために最初にするべき治療は「一刻も早い電気的除細動」です!(TV「救命病棟24時」でもやっていたのでたぶん間違いありません!(笑))

 のざこじ:「あの~、VFですので除細動をかけましょうか?それとも、もうかけました?」(なるべくプライドを傷つけないように言いました。)

 脳外科医:「いや、かけてません。この方は心臓にペースメーカー入れているのでかけられないんですよ。除細動すると壊れてしまいますよね。」

 のざこじ:「・・・・・」

 危機的状況の患者さんの治療において重要なのは、「今、まず、何をすることが最優先事項なのか?」ということです。

 上記の患者さんは心室細動を早期に解除しないと確実に死にます。脳外科医の言うように電気ショックによりペースメーカーが壊れる可能性もあります。でも、今はペースメーカーは何の役にも立っていないし、もし壊れたら自己心拍が戻ったあとで簡易的なものを入れれば良いだけです。

なので、

 のざこじ:「これは除細動の適応です。通電もペースメーカーから3㎝も離して行えば壊れないとされてます。じゃあ、ショックします!みなさん、離れて下さい!」 

「バンッ!」

 一発目のショックで自己心拍再開です。(でも、結局は数日後に患者さんは亡くなりました。脳外科医をかばうわけではありませんが、除細動の遅れが原因ではありません。VFを起こすほど頭の中の状態や全身状態が悪くなっていたからです。)

 おわかりの方も多いように、これは、のざこじが凄いわけでも、なんでもありません。電気的除細動施行時に気をつけることをACLS(2次心肺蘇生プログラム)で学んでいたというだけの話です。そして、その場の流れの中で何を重要視したか、というだけの話です。

 ちょっと、話がずれますが、救急隊の方から外傷症例や疾患の話で「こういう患者がいてこういう状況が起きたんですが、どうすれば一番良かったのでしょうかね?」といった質問をよく受けることがあります。
 一応、「自分なら、こうですかね~。」というお話はさせて頂くのですが、私は現場に行くわけではありませんので、結局は、現場の救急隊員が、自分のそれまで学んだ知識と技術の中から何が一番最優先されるべきか?を瞬時に考えて行ったことが一番正しいのだと思います。
 でも、そのためには日々努力していかないと「俺の行動が一番正しい!」と胸を張っていうことはできませんけどね。

 のざこじは背骨も頭も弱いのでいつも「あの行動はもう少し早くできたはず。」とか、「あそこで開胸していたら・・・。」と反省の方が多いですけどね・・・。
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by nozakoji | 2005-12-09 00:30 | 症例の話

 皆さん、こんにちは。病床より打ってます!神経根ブロック、硬膜外ブロック治療(どちらも術後のため薬の広がりが悪く、注入時痛は本当に辛かったです(>_<))を受けたことで入院前よりは痛みの改善を得ることが出来ました。入院前は朝起きると特に腰痛が激しく、毎日熱いシャワーを足腰に浴びて何とか誤魔化してからの出勤でした。今はそれほどひどくないです!(まあ、仕事をしてないというのが大きいとも思いますが(^^;)) そんなわけで、とりあえず、一時退院することになりました。そして鎮痛剤飲みながら自宅療養して、復帰に向けて活動していきたいと思っております!(プールや近場の温泉にも行こうかな)
 皆さん、本当にご心配おかけしました。これからもよろしくお願いいたします!!! でも、 これからあと数十年間、この痛みと仲良くしていかなくてはならないと思うとやっぱ、ブルー入ります。(;_;)
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by nozakoji | 2005-12-06 00:37 | 自分の話

救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。