この数年、そして現在も救急部での仕事を中心にしている私は、麻酔科専門医としての仕事は週一回の出張麻酔のみとなっています。そうなると、どうしても麻酔に関する最新の知識や技術から遅れていく可能性も出て来るわけです。
そんな私は「勉強のために」今、沖縄のリゾートホテルに来ております。
もう一度言いますが、「勉強のために」来てるのですからね!

説得力ないですかね?f^_^;

詳しく言うと、今年で確か第4回目の「麻酔科学サマーセミナー」に出席しています。
でも、会場がリゾートホテルということで、朝早くから勉強会が始まり午後は「しばらく休憩」を挟んでまた勉強会というスタイルが取られております。
学会とは違い人数は少ないですが、参加者は全国から集まっており、北国からも私の先輩&後輩が来ております。

【以下、翌日に書いてます。】

 本日(30日)は、朝8時からエコー(超音波器機)を用いた神経ブロックのワークショップがあり、休憩を挟んでポスター発表。その後、新しい筋弛緩薬「ロクロニウム」についてのシンポジウムがありました。そして、夜は懇親会でしたが、自分は車でまた自宅に戻るので、お酒は飲めず・・・。まあ、あまり飲めないので良いんですけど。

 来年は、沖縄本島ではなく、離島で行われるかもしれません。研修医の皆さんもぜひいらしてくださいませ。発表するなら上司も沖縄行きを認めてくれることでしょう!(^^)/
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by nozakoji | 2007-06-30 11:04 | 麻酔の話

 前回、抗生物質について記事にしてみたので、それに関連した「昔話」を・・・・

 (注:症例はいつのものか不明。性別年齢なども適当ですが、治療内容やそれに対する反応はほぼ現実に近いものです・・・たぶん。)

 昔々、あるところに40代の女性がおり、ある日カゼをひきました。近くの病院に行きかぜ薬と抗生物質Fをもらいました。その日の夕食のあとにそれらの薬を飲みましたが、特に問題は無かったそうな。

 翌朝のこと。朝食後に、前日の薬を飲んだところ、胸の苦しさが出現し、夫に「苦しい・・」と訴えたそうな。すぐに夫は119番通報したが、救急隊員が現場に着いた時にはCPA(心肺停止)であったそうな。(注:詳しく言うと、心電図は波形が出現していたのでPEA(無脈性電気活動)の状態)でした。)
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 救急隊が一生懸命にBLS(一次心肺蘇生)をしても、心臓は動かず、CPAのまま救命センターに着いたそうな。(注:救急隊CPA確認から病院到着までの時間は10分。)

 病院の医師N太郎は、救急隊からの情報(薬を飲んだ後から体調不良)と全身が真っ赤になっている&眼球結膜に高度な浮腫(むくみ)があることから「重症アナフィラキシーショック」(重症のアレルギー反応)を疑ったそうな。
 それで、直ちにALS(二次心肺蘇生)に沿ったCPR(心肺蘇生)を開始したそうな。(注:来院時は徐脈のPEA。)
 心臓がなかなか動き出さないため、蘇生は約40分間続き、その間、エピネフリン(1mg)計10A(アンプル)、アトロピン(0.5mg)計2A 、リドカイン計80mgを投与し、心電図がVF(心室細動)になった後は除細動(2相性)150J×7回施行したそうな・・・。

 N太郎が、「もうだめかな、頭のダメージが厳しそうだな・・・」と弱気なことを思い始めたところ、血圧は低いながらも心臓は動きだし、ICU(集中治療室)に入室となったそうな。(注:救急隊がCPA確認から50分後のこと。)

 昇圧剤やさらなる輸液負荷、そして抗ヒスタミン薬(アレルギーに用いる薬。アナフィラキシーにも投与する。)の投与により血圧が安定し、その後、意識も回復したそうな・・・・。

 その後、いくつかの合併症はあったものの無事に社会復帰されたそうな、めでたしめでたし!


 このように、抗生剤の内服でも心停止し難治性のVFになることもあります。必要な抗生物質投与はもちろんOKですが、単なる軽いカゼ症状の方には投与しないほうが安心です。
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by nozakoji | 2007-06-27 15:54 | 救急の話

 今働いている救急外来は、歩いて来院する患者さんが多いため、重症外傷や心肺停止の患者さんはほとんど見る機会がありません・・・。では、どんな訴えの患者さんが一番多いかというと、風邪引きさんを中心とした感染症の患者さんです。

 熱がある、喉が痛い、咳が出る、などの「いわゆるカゼ症状」の主な原因はウィルスであり、基本的に抗生物質は必要がありません。風邪薬を飲んで咳、鼻汁などの症状を和らげつつ、安静&栄養を取り、ウィルスの活動が低下するのを待つのが基本です。でも、救急外来に来る患者さんの2,3割(もっと多いか?)は

 「あの~抗生物質はもらえないんですかね~。」

 とおっしゃいます。これは、北国も沖縄も一緒です。

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 いつか来た患者さんの話です。

 昨日から熱が出て、市販のカゼ薬を飲んだけど熱も下がらないし、体が辛い、という事で救急外来を受診されました。私が一通り診察した結果、明らかな重症細菌感染もなさそうなので、解熱剤などを出して「水分摂取と安静を。」と説明し帰って頂こうとすると、強い口調で文句を言ってきました。

 「熱冷ましとかなら、薬屋でも買える。抗生物質は何で出さないんだ!この病院はそういう治療をするのか!」

 かなり長々とむかつく言葉も言われましたが、こちらは「サービス業」。グッと押さえて、

 「風邪症状を1日で劇的に改善するような薬は無いんです。抗生物質は細菌というものが悪さした時に出すもので、今の症状には必要がありません。」

 などとなるべくわかりやすく説明しても、なかなか納得してくれません。納得してくれないどころか、

 「1%でも抗生物質が効く可能性があるなら、出すのが医者じゃないか!」

 とまで言われました・・・。(^_^;) (そんなこと(=予防的にたくさんの薬を処方する)をやれたら医者はとても楽ですけどね・・・。)


 でも、こういう患者さんが増えているのは、私を含めた医者が今まで安易に抗生物質を出してきたからだと思います。この患者さんが悪い訳ではありません。
 最近は、多くの病院にICT(インフェクション・コントロール・チーム)という感染症に関する専門チームが作られ、抗生物質の使用方法もそこで監視されていたりしますが、開業されている先生方の中には、自分のひいきの製薬会社の抗生物質を乱用されている方も見受けられます・・・。(その結果、抗生物質が原因の重症アレルギー(アナフィラキシー)を起こし、心肺停止に至る患者さんもいるのですが・・・。)
 
 
 私も遅ればせながら、研修医向けの書籍なども見ながら、抗生物質の処方や感染に対する基本を勉強中です。研修医に負けないようにしなくては・・・。(^_^;)

 
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by nozakoji | 2007-06-24 23:43 | 救急の話

 沖縄は梅雨が明けたみたいです。

 さて、前回の記事にしたとおり、法案が成立したようです。沖縄では民間病院が「救急ヘリ」を運用しているのですが、今後、「ドクターヘリ」との関係がどうなるのか、楽しみです。


 6月19日18時25分配信 毎日新聞

 救急医療専門医が同乗して患者を治療しながら搬送できる「ドクターヘリ」の確保を目指す特別措置法が19日、衆院本会議で全会一致で可決され、成立した。同法は、ヘリコプターを配備する病院に対し国や都道府県が補助金を支出できる規定を定めているほか、3年後をめどに健康保険の適用を検討するとしている。


 健康保険の適用は早くしたほうが良いですね。それじゃないと、財源確保が厳しくなりそうですし。
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by nozakoji | 2007-06-20 16:33 | 救急の話

日本航空医療学会のHPをチェックしたところ、すでに参議院を通っていたドクターヘリ法案が衆議院でも可決したようです。個人的にはとても喜ばしいニュースです!!!


 (公明新聞6月16日より抜粋)

 衆院厚生労働委員会は15日、ドクターヘリの全国配備をめざす特別措置法案を全会一致で可決した。19日の衆院本会議で成立する見通し。
 同法案は、ドクターヘリの全国配備を進めるため、寄付によってつくられた基金からの助成金を新たに財源に充て、自治体の負担を軽減することを規定。
 また、都道府県が策定する医療計画にドクターヘリを用いた救命救急の目標を決めることを定めている。(以下略)
 

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 しかし、器材(ヘリコプター)がいくら良くても、乗っている人間が正しい医療をしないと患者さんは助からないと思います。自分は体力的&能力的に、今後、ドクヘリに乗るような病院でアクティブに活動することはできないと思うので、人材育成のお手伝いをしていけたらと考えています。(ホントは乗りたいんですけどね・・・。)

 
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by nozakoji | 2007-06-18 21:20 | 救急の話

 昨日、沖縄で開催中の国際学会に行ったところ、丁度、来沖していた秋篠宮ご夫妻が車に乗って学会会場を後にする時間にあたりました。
 警備の方は多くいたのですが、見物の人間は少なく、自分も結構近くでお顔を見ることが出来ました。(つい、手を振る紀子さまにつられて、こちらも手を振り返してしまいました。(恥))

 ま、それは良いとして・・・


 沖縄のある病院に麻酔出張した時の話です。私は3件の手術麻酔を担当したのですが、その内訳は、、、

  1例目:84才
 2例目:95才
 3例目:95才(臨時手術。状態不良・・・)

 いくら何でも、手術対象年齢、高すぎます!(^_^;) 沖縄だからでしょうか???

 以前は、85才を越えるような患者さんは「高齢者」ではなく、「超高齢者」としてかなりハイリスクな患者さんとして考えられてました。でも、平均寿命の上がった現在、私が医師になった13年前と比べ、手術対象患者さんの年齢も確実に上がり、「65才が高齢者」なんて思う麻酔科医や外科医は皆無かと思われます。
 また、85才以上でも患者さんはホント元気ですし、麻酔技術やモニタリング、術後管理技術も良くなったので、以前より安全な管理もできるようになっております。
 
 あと10年後には「超高齢者の定義?100才以上かな~。」なんていう時代になるんでしょうね。

 
 でも、出張病院で、84才+95才+95才=計274才の麻酔管理はちょっと気が重かったです。(苦笑)
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by nozakoji | 2007-06-17 15:36 | 麻酔の話

 私の住む宿舎の周りは多くの緑で囲まれており、草むらや樹木がたくさんあります。

 草むらには「ハブに注意!」という場所があってビビッたり、雨が降ると路上にアフリカマイマイというデカいカタツムリが出てまたまたビビッたりしておりました。(^_^;)

 まあ、良く言えば、「那覇などの都会に近いけど自然が残っている!」と言ったところでしょうか。

 ある夜のこと・・・

 妻が、そんな自然が多く残る宿舎のそばに立っている樹木から動物の鳴き声と、何かが羽ばたく音を聞きました。
 
 「え、何?鳥?」

 ベランダのカーテンを開けた妻の目に飛び込んできたのは、数メートル先の木の枝から大きな翼を広げた生き物でした。そして、その翼の形は、映画「バットマン」などでしか見たことのない形だったようです・・・。(^_^;)

 数日後、同僚に聞くと、

 「あ、夜になるとそのあたりはいますよ~、コウモリ!」


 と、まるでカラスやスズメと一緒の扱いで説明されたのでした。

 恐るべし、ちゅら島沖縄・・・。
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by nozakoji | 2007-06-13 18:29 | 沖縄のお話し

 当直中です。

 昨日は沖縄にいる北国大学卒業の研修医達とお食事会を開きました。(別名:脱「北」者の会)

 一人は沖縄出身(うちなー)ですが、残り3人は沖縄県外出身(ないちゃー)です。

 「患者さんの診察の時に方言がわからず困った」とか、「乳製品が高い!」など沖縄生活での戸惑い(文句?)などを酒を飲みながら話す楽しい会となりました。文句に近いことを言いながらも、私を含めてみんな沖縄生活を楽しんでいるように感じました。

 母校の後輩とまさか沖縄で飲み会をすることになろうとは、来沖の時点で全く思ってもいませんでした。私の名前をネットで見つけ、この会のきっかけを作ってくれたNさんに感謝したいと思います!

 また、これをきっかけに彼らがいる病院の先生方とも交流したり、彼らに私の勤務先での講習会の手伝いをしてもらったりという活動ができたら良いな、とも考えています。(彼らにとっては迷惑かもしれないけど。(^_^;))

 明日は当直明け→日帰りで離島への出張とちょっとハードではありますが、頑張ってきたいと思います。

 では、また。
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by nozakoji | 2007-06-11 00:19 | その他

 ゆる~い内容ですが一応、蘇生に関する話題です。(^_^;)

 先日、上司と話していると、

 「そういえば、子供でもCPR(心肺蘇生)を学べるクマちゃん人形があるんだよ。集中治療学会で見た。」

 というではありませんか。「え~、本当ですか??じゃあ、調べてみますか?」と話しながら、2人でネット検索をかけてみると・・・・

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 ・・・ありました。しかも、もうすぐ発売されるみたいでした。
 しかも、「かわいくトレーニング」のキャッチフレーズまで!さすが、米国です。

 テディCPRを子供時代に与えることで、将来、心肺蘇生に対する恐怖心や苦手意識を無くせるかどうかは不明ですが、楽しみながらCPRを学べると言う点ではとても素晴らしいものだと思います。

 さらに詳しい情報は、アイエムアイのホームページへどうぞ!

 
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by nozakoji | 2007-06-06 18:16 | 救急の話

 どうも、今日も医療ネタではありません。(^_^;)

 最近、クールビズということで、沖縄のフォーマルウェアとして普及してきた かりゆしウェアが政治家にも着用されるようになりましたね。

 かりゆしウェアの中には、パッと見て
「これ、アロハシャツと何が違うの?」
 というものもありますが、きちんと定義があります。

 かりゆしウェアの定義は
      1、沖縄県産品であること
      2、沖縄らしさを表現したものであること

 だそうです。なので、アロハシャツにはない「シーサー」や「ゴーヤー」をモチーフにしたかりゆしもあったりします。(笑)

 かりゆしウェアのいいところは「フォーマルウェア」であるということです。なので、研究会や医師会などのちょっとした会議に出席する時に「暑くてジャケットやネクタイはイヤだなあ~。」と思えば、自分は一張羅のかりゆしウェアを着ております。(一応、若者っぽいデザインにしてますが。(^_^;))



 さて、沖縄の新聞についても書いてみますね。

 大手は「琉球新報」と「沖縄タイムス」という2社になります。本土の会社の新聞も取ることはできるのですが、一日遅れになるようです。(笑) でも、これだけネットが普及すると、ニュースもネットで見ることが出来るので、ウチは沖縄タイムスにしました。

 
で、読んでみて気付いたことをいくつか・・・。(私の「沖縄タイムスを読んでの主観」です。)


 その①:毎日必ず戦争に関する記事が出ている。
→毎日、沖縄のたどってきた歴史を感じています。最近は集団自決に関する記事が多いようですね。あと、「明日、不発弾処理が○○町で△時より行われるので・・・」というお知らせ記事もたまに出てます。

 その②:ヤンバルクイナが路上で亡くなると記事になる!
→さすがに「現在、犯人を捜索中!」とまではなりません。(笑)また、ケガのみで発見された場合、「ヤンバルクイナ、救命救急センターに搬送!」という記事が出ていました。(もちろん、人間の救命センターではありません。ヤンバルクイナ専用です!)
 さすが、天然記念物!

 その③:沖縄出身のプロスポーツ選手は「姓」ではなく「名」で記事に!
→例えば、プロ野球ホークスの新垣渚が完封すると、「渚、完封!」となり、ゴルフの宮里3兄弟はもちろん、「藍、優作、聖志」です!

 その④:週刊誌の広告がほとんど無い・・・。なぜ?
→北国で取っていた新聞(サンケイ系列?)では、週刊文春と週刊新潮がそろって広告を出していたりしましたが、沖縄タイムスでは見た記憶がありません。他の雑誌についてもあまり広告は出てません。なぜだろう??
(注:くどいですが、沖縄タイムスでの話です。琉球新報は知りません。)

 その⑤:告別式広告に掲載する家族の人数が多い!
→沖縄はお墓もすごく大きいし、「シーミー」というお墓参りにも多くの親族が集まります。家族のつながりをすごく大事にしているからだと思います。それが如実に表れているのがお悔やみ欄で、少なくても20人、多ければ40人以上の親族名(孫も全員、いとこ代表、友人代表・・・なども含む)が書かれています。初めて見た時は驚きました!(^_^;)


 今日はここまで。では、また。
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by nozakoji | 2007-06-05 02:14 | 沖縄のお話し

救急専門医、麻酔科認定医・標榜医。北から沖縄に移住→再び北上した感想など…。(救急には無関係な内容が多い!ペインクリニック患者でもあります。)症例は設定変更しています。